
創業50年 隠れた小さな出汁企業
ニチエイ食品工業株式会社
社長、中倉 久仁彦のこだわり。
どんな料理にも欠かせないダシは辛みや甘みといった味覚とは別の次元で「旨味」という味わいを演出し、料理の味を引き立たせてくれます。
和食が無形世界遺産に選ばれたのも、この「旨味」というとても奥の深い概念が評価されたからです。ニチエイ食品はこの「旨味」そのものであるダシの製造一筋で約半世紀。ダシづくりに対する想いやこだわりを製品という形にしてまいりました。ここでは、私たちのダシづくりに対する想いをご紹介したいと思います。小さい中小企業ですが、お出汁製品は一級品と自負しております。

美味しいダシは、美味しい素材からしか生まれません。
ニチエイ食品はお客様に満足していただけるダシの素材選びにこだわり、50年以上の時間をかけて理想的な素材を探し求めてきました。その中でも高知県・土佐清水のカツオや熊本県・牛深のサバ・イワシはそんなこだわりを満たしてくれる上質な素材で、現地生産者との長年にわたる良好な取引関係をいかして厳選された良いものだけを仕入れています。
ダシが演出する「旨味」というのは明確な味があるわけではなく、香りや風味といった定義の難しい味わいです。ニチエイ食品がお届けするダシには、厳選したこれらの素材が持つ微妙な旨味がしっかりと詰まっています。

全て手作業の伝統的な製法を守り続けます。
良い素材が揃っていても、その美味しさをしっかりと製品にする技術がなければ意味がありません。
良い素材ほど、美味しさを引き出すには繊細な扱いが必要になるため、機械化が進んでいる現在でも私たちの加工工程は全てが手作業です。
ダシの素材は全て自然からやって来るものです。
そのため、素材の状態や加工をする日の気候や環境などによって微妙に状態が変わります。常に素材や自然としっかり向き合い、そこから最高の味わいを引き出す職人の技術は、今も昔も変わりません。

安心と安定のための国産素材にこだわります。
今や美味しさと並んで重視される、食の安全。
安心して食べられることは、美味しさにも直結するのではないでしょうか。
ニチエイ食品が選ぶ素材は厳選した国産素材で、顔の見える生産者から良いものを仕入れています。これは安心してお客様に食べていただけるというだけでなく、安定的な供給にもつながる大切なことです。
輸入食材は量が多く価格も安いのですが、その一方で市場原理に左右されやすく時期や自然条件によって供給量や価格が大きく変動するため、仕入れルートとしては不安定です。
お客様が欲しいと思った時に欲しい商品があるというのも大切な品質だと考えた結果、昔から続く生産者との関係をいかした厳選国産素材を使用するという結論に至りました。

地道な研究を積み重ねてオンリーワンの味を。
良い素材から得られる上質な旨味を引き出すための製法は、私たちが50年以上をかけて常に研究してきたテーマです。
研究という学術的な響きがある言葉ですが、現場では試行錯誤の連続です。「こうしたら良いのではないか」を試してみて、そこから得られた結果で次の試行錯誤をする。
地道で時間のかかる作業ですが、こうして得られた味は製法をそのまま真似ただけでは再現できないものです。
お客様からは当社の製品には独特のコクや香りがあると言っていただくことがあります。素材を削った後の火入れをする工程など、他にも企業秘密と言える独自の製法がこうしたオンリーワンの味を作り出しているのです。
もちろん、私たちの試行錯誤はこれで完成ではありません。常に素材と向き合い、あらゆることにチャレンジをしながら味を磨き続けます。
